「ネットは苦手だから教えて」の本当の意味とは?

「わからないから教えてください」という人は、実は“わからない”のではなく、“記録しない”のです。

仕事をしていると、何度も同じことを聞いてくる人に出会うことがあります。
「前にも説明しましたよね」と言いたくなる場面、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

もちろん、人間ですから一度で完璧に覚えられないこともあります。
ですが、「わからないから教えてください」と毎回言う人の多くは、“本当にわからない”のではなく、“記録を取っていない”だけなのです。

「教えてもらう」=「理解した」ではない

人は、口頭で聞いた情報の大半をすぐに忘れます。
心理学の「エビングハウスの忘却曲線」によると、聞いた内容の約70%は1日で忘れてしまうそうです。

つまり、「聞いた=覚えた」ではないのです。
だからこそ、メモを取ることが重要になります。
メモを取る行為は、単なる記録ではなく、頭の中を整理しながら理解を深めるプロセスでもあります。

「メモを取らない人」と「メモを活かせない人」

最近は「メモを取らない人」だけでなく、「メモを取ったのに活かせない人」も増えています。

たとえば、

  • どこにメモしたか分からない
  • ノートやアプリがバラバラ
  • 自分で書いたメモを見ても何が書いてあるかわからない

これでは、“記録したつもり”になっているだけです。
メモは「取ること」が目的ではなく、「後で活かせる形で残すこと」が目的。
雑なメモは、情報の墓場になってしまいます。

そして、「自分で調べようとしない人」たち

もうひとつ共通しているのが、自分で調べようとしないことです。
わからないことがあれば、まず検索する、資料を読む、他の人のやり方を参考にする――
そうした“自力で解決する姿勢”が学びには欠かせません。

ところが、
「どう調べればいいかわからない」
「探すのが面倒だから誰かに聞けば早い」
という人が増えています。

しかし、調べ方は“習うより慣れる”もの。
最初は時間がかかっても、自分で調べて得た知識は、教わった知識の何倍も記憶に残ります。
調べる力=考える力です。
人に聞く前に「自分でどこまで調べられるか」を試してみるだけで、成長スピードは確実に変わります。

メモを「使える形」にする3つのコツ

  1. 一元管理する
    ノートでもアプリでも構いませんが、使うツールは一つに決めましょう。
    あちこちに分散させると、後で探す時間がムダになります。
  2. 見出しをつける
    「日付+テーマ+要点」を書くと、後で検索しやすくなります。
  3. “未来の自分”が理解できる言葉で書く
    略語やその場の感覚的なメモは、時間が経つと意味不明になります。
    「他人に説明するつもり」で書くのがコツです。

メモは“自分専用のマニュアル”になる

仕事のノウハウや操作手順、上司からのアドバイスなどをその場でメモしておけば、
次に同じような場面が来たとき、わざわざ人に聞かずに済みます。

それが積み重なれば、自分だけの「マニュアル」になります。
結果として仕事が早くなり、周囲からの信頼も高まる。

そして何より、メモを取っておけば次から調べる必要がなくなるので、仕事のスピードが格段に上がります。
メモは「記録」ではなく、「再現性を上げるツール」なのです。
メモを“使える形”で残すことは、自分の成長スピードを上げる最も簡単な自己投資です。

「メモを取る人」「調べる人」こそ成長する

最初は小さな違いでも、1年後には大きな差になります。
メモを取る人は「知識を積み上げる人」、
メモを取らない人は「毎回ゼロから学び直す人」。
そして、自分で調べる人は“問題を解決できる人”です。

「わからないから教えてください」という言葉を使う前に、
自分のメモを見返し、自分で調べてみる。
この小さな積み重ねが、やがて「頼られる人」をつくります。

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